アクティビティリスト
このアクティビティでは、ごま塩を使って「溶けるものと溶けないもの」を観察しながら、塩水を使ったお絵描きを楽しみます。まず、ごまと塩を分ける方法を考え、水を使って実際に分けてみます。その後、塩水を黒い画用紙に塗って乾かすと、キラキラした模様が浮かび上がり、塩の結晶も観察できます。子どもたちは、塩の性質や水の働きについて学びながら、創造的な活動に取り組むことができます。実験的なサイエンス要素の高いアクティビティです。
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<ごま塩は小さじ1(約5g)、塩は大さじ1、水は30mlで実施>
- 紙の上にごま塩を出し、ごまと塩を分ける方法を考えます (動画では折り紙を使用しましたが、紙でもお皿でも良いです)
- そのままでは分別が難しいことを体験し、コーヒーフィルターに移します
- 透明なカップにごま塩を入れたコーヒーフィルターを入れ、その上からゆっくりとお水をかけます
- 約1分後、フィルターで濾した水を舐めてみます。(塩だけ溶けて、水がしょっぱいことを感じます)
- 濾過された塩水に塩を追加し、よく混ぜます。少し溶け残っても問題ないです
- 塩水に綿棒をつけて、黒の画用紙に重ねて厚めに絵を描きます。描いたら、乾くのを待ちます (10~20分)
- 海、雨、雲に関するお話をしながら、乾燥の時間を待ちます
- 乾いたら、水がなくなり塩が紙に残り、描いた模様が浮かび上がります。また、塩の結晶を観察することができます。(虫眼鏡があるとよりわかりやすいです)
注意事項
●ごまアレルギーの子どもがいないか確認してください●乾燥の待ち時間を要し、電子レンジを使用するアクティビティです
準備物
- 電子レンジ
- 計量カップと水
- 水を入れる用の透明カップ
- 綿棒
- コーヒーフィルター
- ごま塩
- 塩(追加用、少し溶け残っても問題なし)
- 黒の画用紙(カードかハガキサイズがおすすめ)
- ティースプーン(冷蔵庫などで冷ましておくと良い)
- 計量スプーン
- 耐熱容器
- 虫眼鏡(あれば)
- 紙(折り紙でも小皿でもなんでも良い、最初に使用するもの)
- 虫眼鏡で観察してみよう
- 二度塗りして厚く塗り、塩の結晶を作ってみよう
- キラキラをたくさん作ろう
- 黒い紙を挟んだクリアファイルの上から綿棒で線などを描く。乾くと塩の結晶を観察できる
- <応用編>
- 1.耐熱容器に透明カップの塩水を入れて、電子レンジに入れて温めます。(ちりちりと音がしても良いです。500wで約20秒。*耐熱容器や塩水の量などによって加熱時間は変動します。耐熱容器内の塩水が温まるまで温めます。)
- 2.温めた容器を取り出し、容器の上に冷ましておいたスプーンをかざします
- 3.スプーンが白く曇ったり、濡れるのが確認できます。濡れたスプーンの面を舐めると、味がないことを確認します
- 4.スプーンの変化が、湯気が雲になって雨を降らせる、一連の水の変化を表していることを説明します
子どもに投げかける質問
- どうしたら、ごまと塩に分けられるかな?
- 水をかけると何が起こるかな?
- (フィルターで濾した水を舐める前には)どんな味がすると思う?
- 塩の結晶ができているところを見て、どんな形かな?何に似ているかな?
子どもの予測される行動・質問
黒い画用紙に塩水を使ってお絵描きをすることで、科学的な現象をアートとして楽しむことができます。塩の結晶がキラキラと浮かび上がる様子は、視覚的にも美しい結果を生みます。これは、水が乾いて蒸発し、塩だけが紙に残るからです。この現象から、雨がしょっぱくない理由を学ぶことができます。
また、電子レンジで温めた塩水から蒸発した水蒸気が、冷やしたスプーンに触れると水滴ができる様子を観察するアクティビティがあります。スプーンをかざすと、スプーンの表面に雲のようなモヤモヤが現れ、やがて水滴になります。このモヤモヤが雲、水滴が雨を表します。自然界でも海などの水が蒸発して空に昇り、上空で冷やされて雲になり、やがて雨として降ってくるのです。
水が蒸発しても、水に溶けていた塩は蒸発せずに残るため、自然界の雨はしょっぱくないことがわかります。海の塩は水と分かれて、海に残っているのです。
実際に社会で使用されているもの
このアクティビティは、日常生活や自然現象に触れる良い機会です。たとえば、塩の結晶化や水の蒸発は、雲や雨ができる仕組み(気象学)や水の循環と深く関わっています。このプロセスを体験することで、自然の不思議さや科学への興味を育むことができます。また、環境や気候変動に対する関心が高まるきっかけにもなります。
【監修協力:昭和女子大学人間社会学部初等教育学科教授 白數哲久氏】