アクティビティリスト
このアクティビティでは、子どもたちが宇宙の不思議さや星の多様性について学び、自分だけの「星空」を創造します。星の色、大きさ、配置の違いをイメージしながら、望遠鏡を作成します。望遠鏡をのぞくと、暗闇に自分がデザインした宇宙が広がり、科学的な理解と創造的表現を同時に楽しむことができるでしょう。
この活動を通じて、天文学や光の特性についての興味を育むとともに、創造の楽しさを体験します。
- 本や図鑑から、冬は星がたくさん見ることができることを話します
- 地球の周りにたくさんの星があること、星の大きさの違い、星の色の違いについて、どんな星があるか話し合います
- ”自分だけの星空をつくって、のぞいてみよう”と、自分だけの望遠鏡を作ることを促します
- 画用紙を横向きに置き、二つ折りにします
- 折り線の両端から中央に向かって中心を約3〜4cm残すぐらいまで、切り込みをいれます
- どちらかの半分を使って円筒を作り、マスキングテープでとめます
- 円筒を横長画用紙に乗せるように置き、外周を描きます
- 描いた外周の外側の2cmあたりに線を描き、その線を切ります
- すだれのように切り込みをいれ、折り曲げます(注意:外周の線まで!切りすぎないようにします)
- 蓋のように被せて、手でおさえながらのぞきこんでみます(真っ暗なことを体験します)
- 次に、平面になるように全て開いて置きます
- 穴を開ける位置を決めたら、画用紙の下に発砲スチロールもしくはダンボールを敷いて、一つずつ穴を開けます
- 蓋となる円形と、蓋に近い側の半分を中心に自由に穴を開けます
- 穴が開けられたら、先ほどのように円筒を作り蓋部分も隙間の内容に抑えて、マスキングテープでとめ、のぞきこみます
- のぞいてみたらどんな星空が見えるか、友達と見せ合い話し合います
注意事項
●鋭利なものやハサミの取り扱いには注意しましょう (ケガをしやすいので、できるだけがびょうは避けてください)
準備物
- 黒画用紙(動画ではB4サイズで実施)
- 穴を開けるもの (つまようじ、竹串、(がびょう))
- 画用紙の下に敷くもの( 発泡スチロールもしくダンボール、ハガキサイズあればOK)
- セロハンテープ
- マスキングテープ
- マッキーなどのマジック(顔料マーカーでもOK)
- ハサミ
- キラキラペン(あれば)
- 円筒を回しながら、のぞきこむ
- 円柱形が持ちやすくのぞきこむと世界を広く見える点でおすすめですが、四角柱でやってみる
- 星に色をつけてみる
- <穴を開けるポイント>①穴を開けるときに、どんな星座を作りたいか鉛筆などで下書きする
- ②穴が大きければ大きいほど、外からの光がたくさん入り、のぞきこんだときに明るくなります。つまようじを出来るだけ深く差し込むと穴は大きくなります
- ③穴を開ける位置は、円形と円筒の蓋側にします。のぞきこんだ時に、光が反射して動かしてみるとうつった光も動いてキレイです
- <星に色をつけるポイント>①穴を開けた面の側から穴をふさぐようにセロハンテープを貼ります(円筒の内側にセロハンテープがきます)
- ②光らせたい色を想像しながら、セロハンテープの上をマジックで塗ります
- ③塗り終えたら、改めて望遠鏡のような円筒形を作りのぞきます
子どもに投げかける質問
- 星座にはどんな星座があるかな?
- 自分の星座を作るとしたらどんな形にする?
- どうしてその色にしたの?
- みる方向を変えてみよう。光が動いて見えるね。
子どもの予測される行動・質問
- つまようじで、指をさしてしまう
- 「この星の形、何かに似てない?」と身近なものと結びつけて考える
画用紙に穴を開けた部分から光が漏れることで、画用紙に空けたランダムな配置が星座のように見えます。このプロセスを通して、どんな星座があるか興味を持つきっかけになるでしょう。「こんな星座があったらいいな」という思いを巡らせるのも楽しいでしょう。
また、穴から入ってきた光は、ツヤのある黒い画用紙を使った場合、手前の黒の紙に光の点としてうつって見えます。見る方向を変えると、光の点も動くのがおもしろいです。
セロハンテープに色を塗った部分を通して光が透過する際、色が分散して広がり、暗い部屋で星のような光を見ることができます。これは光が透明な素材を通る時に見られる屈折や拡散の性質によるものです。
星の色は、その表面温度によって変化します。青白くかがやく星は最も高温で10000℃以上とも言われています。比較的低温と言われている赤い星ですがそれでも表面温度は3000℃程度あります。
そして、星の色の違いは、その星の表面温度に由来しています。熱くなったガスがその温度に応じた色のになるからです。このアクティビティでは、マジックでセロハンテープに色付けすることで、星の色の多様性を表現します。
実際に社会で使用されているもの
プラネタリウムでは、星座や星の配置を再現する技術が使用されています。この技術は、暗闇で光を活用して宇宙の世界を体感する点で、今回の活動と共通しています。プラネタリウムのような体験型の学びを連想させることで、科学や天文学への関心が高まる可能性があります。
また、星や宇宙のモチーフは、建築デザイン、ファッション、インテリアなどで幅広く活用されています。この活動は、子どもたちは美的センスやデザインへの興味を育むきっかけを得られるかもしれません。
さらに、最も身近な例として、セロハンテープのカラーフィルターのような仕組みは、ステージ照明やカメラのフィルターで広く使用されています。これらは、異なる色の光を通すことで特定の雰囲気や効果を作り出す技術であり、今回の活動を通じて子どもたちはその基本的な原理を体験的に学ぶことができます。
【監修協力:昭和女子大学人間社会学部初等教育学科教授 白數哲久氏】