アクティビティリスト
このアクティビティは、綿棒やおりがみを使って矢をつくり、太いストローで矢を飛ばして的を狙います。
子どもたちは空気で矢を飛ばす楽しさを味わいながら、自然に力のかかり方や空気の流れについて学びます。空気圧や力学などにつながる基礎の体験となります。
さらに、的に当てる工夫を考える中で観察力や集中力を育みます。遊びながら科学や創造性に触れられる、楽しく学べる時間です。
- 綿棒を半分に切り、矢の型紙を使用サイズに切り抜き、おりがみも二つ折りにし四等分に切り分けます
- タピオカ用ストロー2本をセロハンテープで、つなぎ合わせます(吹くストロー(筒)の完成です)
- 型紙をおりがみの1/4サイズのものに印字して、二等辺三角形を切り出します
- 切り出したおりがみの三角の頂角が半分になるように、おりがみを半分に折ります
- 折り線に沿って、半分に切った綿棒を貼り付けます
- もう一度半分に折り、空気が漏れないようにセロハンテープで貼り合わせ、筒状に膨らまします(矢の完成です) 膨らませた部分をスカートと呼びます
- 矢を吹くストロー(筒)の中に入れ、サイズを確認します。スカートが広がっていて入らない部分がはみ出るので、ストローにぴったりと収まるようにはみ出た部分を切り落とします
- 吹いたら矢がスムーズに出てくるか確認します。矢のおりがみ部分を調整します
- 壁などに貼ったカラフルな的をねらったり、入れたら音が鳴る的をつくったり、送風機にのせてぷかぷか浮く風船をターゲットに矢を吹きます
- XXXXXXX
- XXXXXXX
注意事項
●子どもたちが吹く方向を決めておきましょう○矢を吹くストロー(筒)の中に入れ、サイズを確認します。サイズが合っていなかったり、綿棒とおりがみの間にすきまがあったりすると、空気がもれてうまく飛びません。○吹くストロー(筒)の直径と作成した矢のおりがみの部分があまりにぴったりで窮屈すぎると、いくら強く吹いても、矢が吹くストロー(筒)の中で止まってしまうことがあります。少し、切りつめて調整しましょう。
準備物
- 綿棒
- 型紙となるワークシート
- おりがみ
- セロハンテープ
- 太く硬めのストロー(タピオカストロー、先が尖ってないもの)
- 的となるものや的をつくるもの (風船、粘着テープ、タコ糸、絵など)
- マジック (風船に描けるもの)
- 矢や吹くストロー(筒)などの素材を変えてチャレンジしたり、その結果を比較してみる
- 新聞紙ボールなどと投げ落とすのと、吹き矢で的当ての競争をする
- 子どもたちの身長に合わせて的の高さ、大きさの調整をする
- 誰が一番遠くまで飛ばせるか競争をする
- ペアやチームを作り、お互いに応援したり協力しながら実施する
- 年齢に関係なく一緒に活動できるゲームを考える
- ストローの本数を変えてみて、飛ぶ距離・吹く力などの違いを観察する
- 様々な的をつくる(鈴や風船など当てたら音が出る的、両面テープなど粘着性のある的)
子どもに投げかける質問
- どうしたら矢をもっと遠くまで飛ばせるかな?
- 的に矢を当てるためにはどうすればいいかな?
- 他にどんな的をつくってみよう?
- 吹く棒の長さはどの長さのものが一番遠くまで飛ぶかな?
- 矢が飛びやすくなるようにするには、どんな工夫ができるかな?
子どもの予測される行動・質問
- 様々な的をつくりだす
- 2本つなぎのストローでは強く吹けず、矢を飛ばせない子どももいるかもしれません
- ストローの長さを切って調整してください
吹き矢は、ストローを通して空気を押し出すことで矢を飛ばします。ストローに息を吹き込むと、空気が勢いよく狭い通路を通るため圧力が生まれ、その力が矢を押し出します。矢の羽部分が筒に密着しているほど、空気の力が効率的に伝わります。
ストローの中を矢が通る間、空気は矢を押し続け矢は加速します。自転車のペダルを漕ぎ始めた時に、2回・3回と回転させるにつれて、自転車のスピードが速くなっていくのと同じです。したがって、ストロー(筒)が長いほど矢の飛び出す速さは速くなりますが、人が一度に吐き出せる息の量には限界があるので、子どもの場合はストロー2〜3本が適当です。
実際に社会で使用されているもの
吹き矢は、スポーツ吹き矢として親しまれており、集中力や呼吸のコントロールが求められる競技です。子どもたちが「狙いを定めて吹く」という動作を体験することで、スポーツの基本的なスキルを楽しく学ぶことができます。このような活動は、遊びの中で自然に成長を促す良い機会となることでしょう。
また、吹き矢は、空気の圧力について考えるきっかけを作ります。
人の肺が空気を出し入れしていることに気づいたり、口の中に空気がたくさん入って圧力が高まることを体感したりします。この空気圧を調整して働くものには、車のタイヤがわかりやすいですが、他にも工場の組立用ロボットの動く部分に多く使われています。
【監修協力:昭和女子大学人間社会学部初等教育学科教授 白數哲久氏】