アクティビティリスト
数種類の野菜を水に浮かべ、浮くものと沈むものを観察します。野菜が浮くか沈むかは、その育ち方(土の上か下か)や、物の「密度」が関係しています。
空気が抜けていく様子や、野菜の断面を観察し、タネの形や野菜ごとの違いを比較します。このアクティビティを通して、野菜の特性や科学の基本的な考え方に触れることができます。
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*ワークシートを印刷しておいてください
- 透明の容器に水を半分より多めに入れます
- ①野菜の浮き沈みを観察しよう
- 野菜を容器の中に入れていきます。浮き沈みを予想しながら、確認します
- 浮き沈みで分別できた野菜の特徴を話し合います
- ②空気を見つけよう
- 容器の中にピーマンを入れて、水中で穴を開けます。空気が出てくる様子を観察します
- 続けて、他の野菜も同様に穴を開けて観察します (空気が出てくる様子を観察しやすくするために、背景に黒画用紙を置いたり、黒い服で実践するとわかりやすいです)
- ③タネを観察しよう
- ピーマンを横に二つに切り、中を観察をします。他の野菜でも同様に観察します
注意事項
●包丁や竹串などの鋭利なものの使用には十分注意しましょう●万が一のため、濡れてもよい服で取り組みましょう
準備物
- 数種類の野菜 (ナス、ピーマン、ジャガイモ、ニンジンがおすすめ)
*オクラ、ズッキーニやレモン、大きくなってしまったキュウリ、かぼちゃも推奨。トマトは糖度によって結果が違い、わかりにくいため推奨しません) - 透明な容器(できれば1人1個。小さな虫かごか、スーパーの洋菓子のケースなど)
- 竹串
- ボウルなど
- 包丁
- ハサミ
- まな板(牛乳パックを代用も可)
- ワークシート
- 野菜の外見と内面とそれぞれの角度から、野菜を描いてみる
- 絵本などと関連させて、地中、地上で育つ野菜の種類や特徴を考えてみる
- 水中で、ピーマンの側面を何度か指で押し、中に水を含ませ、水鉄砲のように遊んでみる
- ナスやレモン、ズッキーニなどを水中で穴を開けてみると、空気が出てきたり、果汁が出てくる様子を観察してみる
子どもに投げかける質問
- どうして浮いたと思う?(沈んだと思う?)
- 野菜の中はどうなっているだろう?タネはどれかな?どんな大きさかな?
- 野菜のサイズや形を変えたら、浮くか沈むか変わるかな?
- 野菜を押したらどうなるだろう?野菜に穴を開けたらどうなるかな?触ってみよう
- 水の温度を変えたら、結果は変わるのかな?
子どもの予測される行動・質問
- 竹串で怪我をしてしまう
- 水をこぼしてしまう
地上で育つ野菜は、主に植物の葉、茎、花、または果実の部分です。これには、ピーマン、トマトやナス(果実)、レタスやキャベツ(葉)、セロリ(茎)、ブロッコリー(花)、が挙げられます。
地中で育つ野菜は、主に植物の根、球根、塊茎、または根茎の部分です。これには、ニンジンやダイコン(根)、ジャガイモ(塊茎)、タマネギ(球根)が挙げられます。これらは土の中で成長します。
地上で育つ野菜は、重みで茎が折れてしまわないように、空気を含むなどして、水より密度が小さくなっているものが多いです。
一方、地中で育つ野菜は、水よりも密度が大きく、水に沈むものが多いです。もし地中で育つ野菜が空気を多く含んでいると、雨が続いて土がドロドロにぬかるんだ時などに地表に浮かび上がってしまい、地面から顔を出し枯れて育たなくなってしまう可能性があります。そうならないように、地中で育つ野菜は空気をあまり含まないような野菜になっています。
このように、地中野菜は重くて沈みやすく、地上野菜は軽くて浮きやすいという特質があります。
実際に社会で使用されているもの
野菜の浮き沈みがその育ち方(地上か地下か)と関係があることを学び、野菜の特徴や栽培方法についての理解を深めることができます。これは、農業についての基礎知識を学ぶきっかけとなります。
さらに、野菜の中に含まれる空気やタネの形を観察することで、科学的な見方を養うことができます。こうした観察は、普段の生活で科学技術がどう使われているかを考えるきっかけになります。
【監修協力:昭和女子大学人間社会学部初等教育学科教授 白數哲久氏】